(神経症)過呼吸 パニック障害 強迫性障害 自律神経失調症等について簡単に分かりやすくご説明いたします

神経症とは精神病? 簡単で分かりやすい説明

結論からいうと、神経症は精神病ではありません。

 

神経症とは、主に心理的要因によって生じる、心身の機能障害の総称です。
それに対して、精神病は器質性の疾患であり、神経症とは別物なのです。

 

言い換えると、精神病が脳の病気であるのに対し、神経症とは、心理的要因による、日常生活に大きな支障をきたしている様々な状態の事をさすと言えるかと思います。

 

一言で表現すると、「精神病は病気で、神経症は病気ではなく状態である」とイメージしていただけると良いかと思います。

パニック障害や過呼吸などは神経症だと聞きましたが・・・ 簡単で分かりやすい説明

神経症とは状態像の総称です(神経症とは精神病?参照)。

 

さらに、近年、精神医学会では、この「神経症」は使わなくなってきています。
このことの背景には、かつて神経症と呼ばれていた症例に対する、アプローチの変化が影響しているのではないかと考えられます。

 

かつて有名なフロイトが、精神分析という手法で神経症患者を研究していたことは、広く知られていることです。しかし、精神分析のように、「原因による診断」という手法から、「症状による診断」という記述的な診断基準を用いる手法が主流となっている上に、SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬という抗うつ薬の1種)等の薬物療法の進歩もあり、かつては心理療法が治療の主体であった強迫神経症は薬物療法の対象として、強迫性障害と名を変えました。(現在においても心理療法の有効性は否定されていません)

 

一言で表現すると、「原因を探ることより、実際の困り事を解決することに重きをおくようになってきている」とイメージしていただけると良いかと思います。(心理療法においてもこの傾向にあります 認知行動療法の説明項目参照)

 

以前、神経症と呼ばれていた症例は
恐怖症→社会不安障害 不安神経症→パニック障害・全般性不安障害 強迫神経症→強迫性障害 抑うつ神経症→気分変調症 ヒステリー(性神経症)→解離性障害 離人神経症→離人性障害と名を変え、その他、比較的新しい概念で、身体表現性障害(身体化障害・心気障害(心気症)・身体表現性自律神経機能不全・持続性身体表現性疼痛障害)があります。

 

つまり、「以前神経症と呼ばれていた症例が、精神医学会の流れにより名を変えた」というイメージを持って頂ければ良いかと思います。

 

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